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南唐の悲劇
文人の壷

故宮流出品を探る

出所のわかるものを載せます
明道元年 放浪の絵師 青山道人の磁枕です

鉄絵 唐
南宋期 吉州窯に、このベージの飾り土を使ったものを多く見ます
鉄絵と呼ぶのでしょうか他に見ない力強さを感じます
その他の 文人の壷はこちらです

詩を読んだ 南唐 李いくにちなんで ここに載せます


李いく(李U) 虞美人の壷 
囚われの身を嘆く詩



ご参考 碇豊長先生 HPより

虞美人

春の花が咲き、秋の月が冴え渡るこの季節の移ろいは、いつ終わるのだろうか
(わたしの今の境遇は異国の囚われ人になり極まったというのに) 

昔の王侯として過ごした栄華の思いでをどうして忘れようか
今年も昨夜、わたしのいる小さな高殿に、故国の春風が吹いてきたというのに

月明かりの中 思い起こすに忍びない 南唐 金陵の宮殿 
(それでも振り返らずにはいられない)


彫り物を施した宮殿の欄干 玉の階段 きっとまだ今でもあるのだろう
紅顔の若き日は はや過ぎ去り ただ老いいるるばかり

きみに問う 還(な)ほ 幾多の愁ひ 有りや
(教えてほしい いつまでこの苦しみはつづくのだろうか)

あたかも 似たり 長江のながれ
(それは長江の川幅いっぱいの流れと同じように)

春の川は東に流れ 深く、尽きることがない

上の現代訳は当方にて分かり易くするため多少変更してあります 
碇豊長先生に感謝とともにここに記します

春花秋月何時了,
往事知多
少。
小樓昨夜又東風,
故國不堪回首 月明中。

雕欄玉砌應猶在,
只是朱顏改,
問君能有幾多愁。
恰似一江春水 向東流
春花 秋月  何の時にか了(おわ)らん,
往事  多少(いくばく)かを 知らん。
小樓 昨夜 又 東風,
故國は 回首に 堪へず  月明の中。

雕欄 玉砌 應に猶ほ 在り,
只 是 朱顔 改る,
君に問ふ:  能く 幾多の 愁ひ 有りや。
恰(あたか)も似たり 一江の 春水の  東に向かって流るるに。
故國不堪回首 月明中 往事知多
小樓昨夜又東風
春花秋月何時了
恰似一江春水 向東流
只是朱顏改
問君能有幾多愁
雕欄玉砌應猶在

南唐 (937-976) 李いく(李U)

昇元937から6年 保大943から15年 中興、交泰、顕徳958から2年 960から976まで開封で囚われる

ベージ色の磁器表面の飾り土に鉄絵 緑色の地に目の回るような渦模様
達者な文字で詩が書かれ絵も気品があります

文人が集まり、わが国ならさしずめ短冊に書くように
車座になって、壷に描いたのでしょうか
ご参考 碇豊長先生 HP

李U関聯地図
五代十国の内
南唐図



金陵(江寧):現在の南京
京:現在の開封
幽都:現在の北京
淮水:現在の呼称が淮河
:現在の福建省
呉越:現在の浙江省

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