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蒜(さん)頭壺 蒜はにんにく。 後世の蒜頭瓶、蒜頭壺の本歌

8の謎

続 8の謎

囚われてから8年目、徽宗帝病死。この8でしょうね。

上も下も8を数える。高宗さんらしい。

以前、これら壷を前にして、弔いの香を焚きました。

また明日、香をたきましょう。

しかしこの壷は胴も蒜。ここがすごい。だから蒜頭蒜胴壺が正解。

実は、こう書いている私がびっくり。12年間、ほとんど見ていないのです。


上の高宗は、濃い茶の飾りを敢えて下に付けた。これが普通ですが、徽宗は、あまのじゃくで上に持ってくる。

唐代磁器のパロディですね(下の写真 右 唐 茶の飾りゆうを掛けて、どっしりとした厚い口台)。

左徽宗の茶 右唐



貫入の操作

徽宗帝がそうであった様に、高宗さんも、けっこう頑張っている。

下の写真の中の1から8の数字を当てはめた小山のところが、実はミソ。

けれども次代(明、清)には、あまり復古されない。

作り易いのか、胴は丸くなる。ろくろ使用です。

なぜ、胴もにんにくの形なのか、その訳は貫入の入り方を操作し、帝の心を整理、癒すためでしょうか。

高宗さんは、やはり磁器が好きとみえる。


頭がにんにく。頭と胴に8の数字。今度は8の謎が出てきました。

北へ連行され8年目、没。

にんにくは、6片、8片から20片まであるという。


ss000リスト 002の象の耳の偏壺。ゆうは光沢があり大変似ている。ともに徽宗帝副葬品と思う。

ゆうは薄青く、とても印象的。めずらしい。


では9,17,34の焼き物は?、34年後の作製には違いない。


徽宗官窯の貫入の技法

花の図柄の背景に、細かな縦の掘り込み。またその上部にも、文様(雷紋)が彫られる。

すべて、貫入を縦にすっきり、導くための技法。首から上は別に付け、特別厚くしてある。

ここからは割れが、乱れる。こういう帝は徽宗さんが最初で高宗さんで最後。


その後のにんにくはどうなった


蒜頭瓶 

いい加減なものになります。作り易いものに。

あるものは轆轤(ろくろ)で作る。また官品は基本が型ですが、絵が中心になった。

明と清。また手間の掛かる貫入が流行らないからでしょう。

明代、竜泉は衰退。大量生産、分業の景徳鎮の時代になります。


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