Ruban-chi ロハン尺で測ってみよう
2014/06/22
こんなものを作っておくと便利です。既製品は何万もします。
今回、南宋リスト品を正確に測るため作り直しました。従来は、100均さんレベルでした。
左からカーボンノギスに15cm直定規貼り付け自製(瞬間接着剤で貼ったもの)、ロハン尺(2000円前後)
中 左高さ用ノギス 右横幅用ノギス(自製コスト1400円、1500円)誤差100mm幅で0.2mmです。
右 左カーボンデジタルノギス 右100均ノギスに15cm直定規貼り付け
(自製コスト 高さ用200円、横幅用300円)誤差100mmで2mmです。9.6mmの法でつらい時もあります。
高さを測りましょう 横にして測ると楽です
今回は小品の場合です。横にして測ります。(スケールの都合で高さ15cm以内)
下にやわらかなクッション、パッドなど敷きます。
左右の耳の高さが0.8mm違います。111.2mmと112.1mmは共に旺納福です。
毎回、市販の民用丁蘭尺(ろはん尺)でチェックします。小さなものなら1%小さくなるだけですから、無視できる数値です。
底の状態で計測点により0.1mm違います。
右図の様に、底面に広くぴたっと定規を当てます。真半分に輪切りにするイメージで測ります。
弦紋の高さを測りましょう。
胴の一番広い所の高さを測ります。つぎは一番、微妙な場合の例です。
丁登科と害口舌の分かれ道。天国と地獄の差です。
小品で法が微妙に替わる場合(約39mmで丁登科から害口舌になります)上の写真は39.9mmです。
大きな変化ですから、慎重に測ります。まず、下図の様に横幅の最大ポイントを見つけます。
横幅は73.2mmです。
高さを求めますから、高さは40mmとみます。法は害口舌になります。
横幅を測りましょう。今度は立てて測ります。
横幅はコツをつかめば、測りやすいですよ。
できれば、毎回丁蘭尺(ろはん尺)で法を確認します。73.2mmは害災至に十分入りますので、計測OKです。
デジタルノギスのホールド機能が便利です。数値が固定されます。
尚、直定規の厚みは0.4mmです。
口の幅
首(一番細いところ)
胴
底と胴のつなぎ目 測りかたで0.3mmの差
底(土付)と底の内側
特殊な測り方 三足香炉の場合
横幅は測りやすいのですが、底が決めにくい。こんな時は
横幅は測りやすいのですが、底が決めにくい。こんな時は0点を上にする。
つまり図の様に口に定規をまず当てます。
高さの測り方のコツ(メーカーのマニュアルにありました)
全長(今回は全高)が分かれば、下からの高さを簡単に知る方法です。
高さ124.8mmの場合
まず全高を測る それを0mmにリセット(右の黄色のリセットボタン)
次に測りたいポイントを読む 今回は首の下、胴の上の弦紋の高さを知りたい。
-89.2とありますが、もうこれが求めたい弦紋の高さです!89.2mm
同じく右の首下の高さは-96.5で、高さは96.5mmとなります。
-
下は同じく首の上の高さです。-114.6の表示から高さ114.6mmです。
足の長さは3本それぞれ、少しづつ違うので、念のため3本共はかります。
まず全高を測って123.3mm リセットして0.0mm
底に当てて、求めたい高さは32.1mm
右図 弦紋高さは86.4mm 上の89.2mmに比べ2.8mm違います。
口のゆがみも影響しています。
100均さんで測ってみよう
デジタルとあなろぐ
道具がなにもないより、あったほうが、はるかに助かります。誤差100mmで2mmです。
普通は丁蘭尺の40等分、9.6mmの中に納まります。(民用は9.7mm)
しかし今回の南宋高宗さんの磁器は、流出を恐れたのか、官と民のハザマの数値が出る。
焼き物も1つだけで見ないで、高宗さんのものを20個ばかり見ますと、
その時の陶家の技量、また高宗さんの法の好みも、なんとなく分かってきます。
一番の例は、旺の喜事。ようやく死んだかと、心底嬉しかったのでしょう。
こんな皇帝に今まで会ったことがない。
次は卵ならぬやたらとアール、曲面の使用が特徴。嬉しい、悲しい、ないまぜの気持ち。
まるでジャズです。徽宗さんはクールなところを感じますが、高宗さんは、どこか熱いところがある。
親と不仲、兄達、また欽宗とも不仲だったのは、この性格によるのかも知れない。
奥様一筋というのもめずらしいが、この直情径行が、国を滅ぼしたのかしらん。
さて
おもしろいことに、宋は、国を半分金に取られて、はじめて、王朝らしくなります。
ですから、旺品に関しては、北宋時代、さして立派なものはあっても、数は極端に少ない。
汝窯も従来目にしたものは、良くても、清代の復古品くらい。
徽宗官窯、徽宗みずから窯を興す。有名ですが、つまり皇帝の私の窯、自分で作り、焼く御製(ぎょせい)でしたから
これも数が少ない。
その点、南宋高宗は、宋で、初めての皇帝でした(?)から、とりあえず数が多い。
また愛と憎しみが宝を生む原動力、エネルギィ。もう十分過ぎる位、愛も悲しみもやるせなさも感じられます。
彼の焼き物には、そんな訳で、小さくてもひとつひとつに、思い入れがある。
しかし、なんでこんなにユウを変えるのよ。
磁器の鑑賞と共に、磁器の研究にも、結果一番の好材料になりました。
下 こんな時は困ります。
正確な数字が更に読みにくい。こんなとき、デジタルは問答無用に答えを出してくれる。
1日計っていると、胃にはやさしいことが良くわかります。
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